見出し画像

フォーム入力者数を送信しなかった人も含めて計測する方法@GTM【デジマのあれこれ Vol.8】

こんにちは! 企業向けにデジタルマーケティングの支援を行う、株式会社プレシジョンマーケティングです。

専門用語が多く、新しい技術やツールが次々と登場するデジマの世界。【デジマのあれこれ】では、最新技術を分かりやすく紹介し、デジタルマーケティングの力を最大限活用していただくことを目指します。

Vol.8のテーマは「(送信完了しなかった人も含めた)フォームに入力した人の数の計測」

会員登録や資料請求、お問い合わせなどをコンバージョン目標にしている企業は多いのではないでしょうか? これらのコンバージョン数はフォーム送信完了数でカウントしますが、「送信完了までは至らなかったけれど、途中まで入力してくれた」人の数も知りたいと思ったことはありませんか? 

次回コンバージョンしてくれる見込みがある人の数を知っておくという意味でも、機械学習のためのマイクロコンバージョンとして利用する(詳細は後述)という意味でも、フォーム入力者を計測できるとマーケティングに役立ちます。

そこで今回は、フォームへの入力を計測するためのGTM設定方法をご紹介します。


GTMの設定方法

Google Tag Manager(GTM)を使用して、「マイクロCV」という名前のGoogle広告のコンバージョンタグを発火させます。

1.フォームの変更(≒入力)をGTMに伝えるための設定

まず、フォームに変更(changeイベント)が起きたら、form_changeという名前のイベントをGTMに送信します。タグの設定は以下のとおりです。

1-1.タグの種類を「カスタムHTML」に設定

1-2.HTML欄に以下のコードを貼り付ける

<script>
(function(){
var form = document.forms["formname"]; //フォーム名(name)が「formname」の場合

form.addEventListener('change', function(e){

       window.dataLayer.push({
        event: 'form_change'
      });

}, true);

})();
</script>

1-3.フォームページで発火するトリガー(上図では「【テスト】フォームページDom Ready」)を紐付ける
その際、トリガーの発火タイミングはDom Readyに設定します。 発火タイミングをページビューにしてしまうと、フォーム読み込みが間に合わずエラーになるのでご注意ください。

1-4.名前(上図では「form_changeイベント送信設定」)を付けて保存
これでdataLayerを通じてGTMにform_changeという名前のイベントが送られるようになりました。


2.トリガーの作成

続いてform_changeイベントをトリガー(発火条件)として使えるように以下の条件でトリガーを作成します。

2-1.トリガーの種類を「カスタムイベント」に設定

2-2.イベント名を「form_change」に設定

2-3.名前(上図では「form_changeイベント」)をつけて保存
※必要に応じてPage Path等でも発火条件を絞り込みます。


3.コンバージョンタグにトリガーを紐付ける

最後に、発火させたいコンバージョンタグに作成したトリガーを紐付けます。

3-1. コンバージョンタグを準備する
タグの種類「Google広告のコンバージョントラッキング」のタグを作成し
コンバージョンIDやコンバージョンラベル等必要な設定項目を入力します。
何らかのフォームの変更があったことを初回だけ検出できれば良いのでタグ呼び出しオプションは「1ページにつき1度」にしておきます。

3-2.トリガーを先ほど作成した「form_changeイベント」に設定

3-3.名前(上図では「マイクロCV」)をつけて保存

これで完成です。プレビューモードでフォームに何か入力してみてください。発火が確認できたら設定に成功しています。公開をお忘れなく!

フォーム入力をマイクロコンバージョンにして機械学習に活用

最後に、冒頭で少し触れたマイクロコンバージョンとしての活用法についてご説明します。

デジタル広告の強みの1つに、「機械学習」があります。人間が細かく配信条件を設定しなくとも、コンピュータが自動で最適な運用をしてくれます。運用者の手間が減るのはもちろん、成果も上がりやすいため、どの広告プラットフォームでもスマート自動入札等の自動化設定が推奨されています。

ただし、機械学習が力を発揮するには、一定量のコンバージョン(CV)データが必要です。コンバージョンのハードルが著しく高かったり、運用金額がごく小規模な場合は、コンバージョンデータが足りず、最適な運用方法を割り出すことができないのです。

そこで、コンバージョン数が少ないケースでは、本来のコンバージョンの手前のアクションをマイクロコンバージョンとして計測することでデータ不足を補うことがあります。例えば、商品購入完了がコンバージョンの場合、商品をカートに入れる、商品の詳細情報ページを見るなどのアクションをマイクロコンバージョンとするのです。

この記事で計測方法をご紹介したフォーム入力数も、マイクロコンバージョンとして設定されることが多い項目です。会員登録や資料請求、お問い合わせを獲得するために広告運用しているけれど、コンバージョン数が少なく機械学習が進まない。そんなときは、フォーム入力数をマイクロコンバージョンに設定してみてはいかがでしょうか?