【広告クリエイティブの細かいところ。認知科学を使ったCVR・CPA改善】〜その1〜認知科学と広告クリエイティブ
こんにちは! 企業向けにデジタルマーケティングの支援を行う、株式会社プレシジョンマーケティングの城下です。
今回より、CVR・CPA改善を目的とした広告クリエイティブ制作に役立つ【認知科学】を使った様々な情報を紹介していきます。
そもそも、認知科学とは?
私たちプレシジョンマーケティングのクリエイティブ担当者が使う手法の1つで、wikipediaには以下のように記載されております。
認知科学は何でもあり??
wikipediaの説明を見ると、認知科学は様々な学問の〝良いとこ取り〟的な感じがします。
しかし冒頭にある「情報処理の観点から知的システムと知能の性質を理解しようとする研究分野」という部分が重要であり、またこの【情報処理】は情報を受け取った人の属性(性別・年齢・生活圏・生い立ちなど)により大きく変わることを注視しなければなりません。
そのため、広告クリエイティブ改善においては〝良くある〟心理学的効果みたいな手法の考え方だけでは解決できない、情報を受け取った人それぞれの【心の琴線】まで考える手法であると言っても過言ではありません。
認知科学の基本:T.O.T.Eモデル
認知科学を使った広告クリエイティブ改善において、T.O.T.Eモデル(トートモデル)と呼ばれる、人の情報処理の過程を図解したもので、Test(テスト)Operation(操作)Test(テスト)Exit(退出)の略です。
詳しくは以下の図をご確認ください。
このT.O.T.Eモデルは人工知能や機械学習のにも使われている、情報処理における基本的な概念で、【心理サイバネティクス】と呼ばれる分野の学問です。
詳しい情報は以下書籍が参考になります。
(かなりマニアックですが・・・)
T.O.T.Eモデルをわかりやすく書き換えてみた
認知科学の基本:T.O.T.Eモデルを深く理解するため、各過程の見出しをわかりやすい用語に置き換えてみました。この方が腹落ちしやすいですかね!?
広告クリエイティブの設計はOPERATE(思い出す・想像する)が重要
検索広告でもバナー広告でも、ユーザは目にしたデザイン(テキスト・イメージ)から(半ば強制的なINPUTにより)自己の経験や欲求と照らし合わし(OPERATEして)、その結果で生まれた感情や態度により行動(クリック・CV)を決めます。
この流れを前提に、広告クリエイティブの制作をする上で、「ユーザの〝何〟をOPERETEさせるためのデザインなのか?」を考えてクリエイティブ設計をすることが非常に重要であると読み取れます。
またこの〝何〟は、情報を受け取った人の属性(性別・年齢・生活圏・生い立ちなど)により大きく変わること、全てのターゲットユーザの〝何〟が同一ではないことを踏まえ、広告クリエイティブにおける〝何〟を解明するためのABテストを進めることが重要であると考えられます。
【視聴態度】と【可処分時間】も成果改善につながる要因
さらにこの「ユーザの〝何〟をOPERETEさせるためのデザイン」を考える上で重要なのが、ユーザが広告接触をした媒体・タイミング・前後の行動などを考慮したものが【視聴態度】です。
また、ユーザがWeb閲覧している状況下における〝ヒマ〟な状態=無駄に使うことができる時間を【可処分時間】と呼びます。
この2つの要因は広告接触前(T.OT.Eモデルが動き出す前)の状況であり、これらの状況を踏まえて〝何〟を導き出すための設計が『ペルソナ設計』と言っても良いでしょう。
広告クリエイティブ設計は単純ではない
ここまでに見てきた通り、広告クリエイティブの改善における「心理学的効果の活用」「ABテストの実施」「ペルソナ設計の重要性」といったスタンダードな手法を認知科学視点で捉えることで、今まで以上に考えるべき(設計すべき)項目が見えてきたかと思います。
また良く言う「ユーザの視点に立つ」という考え方や、「プロダクト思考からの脱却」という視点もT.O.TEモデルをベースに考えると、ユーザへ「伝えるべき内容」「訴求すべき項目」も変わると思います。
認知科学、面白いですよね!?
また次回以降、もう一歩も二歩も踏み込んだ内容をお伝えするのでお楽しみに!