「計測タグ、ちゃんと設定できてるか不安……」を解消する、Google純正の計測タグチェッカー3選【デジマのあれこれ Vol.2】
こんにちは! 企業向けにデジタルマーケティングの支援を行う、株式会社プレシジョンマーケティングです。
専門用語が多く、新しい技術やツールが次々と登場するデジマの世界。【デジマのあれこれ】では、最新技術を分かりやすく紹介し、デジタルマーケティングの力を最大限活用していただくことを目指します。
Vol.2のテーマは「計測タグの動作チェッカー」
デジタルマーケティングの大きな利点の1つに、成果を可視化できる点があります。投下したコストに対するリターンを素早く正確に確認できることで、戦略的な運用が可能です。
ただし、その利点を活かすためには1つハードルがあります。そう、計測タグの設定です。目指すコンバージョンや、その過程で計測したいKPIは各社それぞれ違うもの。そのため、何を計測するかを決めるのも、それを測るためのタグを設定するのも、ユーザー自身で行う必要があります。
この設定はGTM等のタグマネージャを利用して行うことが多いと思いますが、タグマネージャーのプレビュー機能がちょっとややこしい……。高機能なのですが、慣れないうちは使いづらさが否めません。「Web上の参考記事を見ながら設定してみたけれど、ちゃんと計測しはじめられているのか不安」という気持ちになった方も多いのではないでしょうか?
また、そもそもタグマネージャを利用していない場合には当然プレビュー機能は使えません。閲覧権限がない場合に、設置されているタグの一覧や動作状況をざっと確認したいこともあるかと思います。そのような場合に、これから紹介するタグチェッカーを利用すると、比較的簡単に状況把握ができます。
紹介するのはいずれもChrome拡張機能で、手軽に使えるものばかり。Googleが提供するツールなので、安心して利用できます。
おすすめタグチェッカーその1:Tag Assistant Legacy (by Google)
「Legacy(遺産)」の名の通り、古くからあるGoogle公式のタグチェッカーツールです。以下のようなタグの確認に使えます。
Google Analytics
Google広告 コンバージョントラッキング
Google広告 リマーケティング
Google Tag Manager
Floodlight
Google Optimize
Google関連の各種ツールのタグを一括で確認できるため、いろんなタグを仕込んで高度な運用をされる方に便利です。
データ送信先のURLやパラメータの一覧を表形式で表示させることもできるので、具体的にどのような情報がGoogleに送られているのかを確認したい場合にも重宝します。
ただ、古いツールだけあって、GA4用の「G-」で始まるストリームIDが設定されたgtagでは無効なアカウントIDと判定されてしまうという弱点があります。GA4を利用されている場合は、GTM プレビューモード や後述のTag Assistant Companion 、Tag Assistant for Conversions Beta、GA4組み込みのDebug View等を併用することをおすすめします。Yahoo!広告のタグを仕込んでいる場合は、誤検出されてエラー判定されるのもご愛嬌。
おすすめタグチェッカーその2:Tag Assistant for Conversions Beta
「for Conversions」とある通り、コンバージョンの設定チェックに特に役立つツールです。先ほど紹介したTag Assistant Legacyと違って、GA4やgtagにも対応した新しめのタグチェックツールです。現時点ではベータ版のため認知度は少し低い印象ですが、コンバージョンという多くの利用者にとって最重要な指標に関わるツールですから、使いこなせて損はありません。
Goal モードを選択し、チェックしたいコンバージョンタグの情報を入力。LPからコンバージョン完了までのサイト上での一連の操作を実際に行ってみると、各ページ毎に発火したタグの一覧や対応が必要なエラー等の詳細なレポートを表示してくれます。
対応しているコンバージョンの種類は
Google 広告
Floodlight
Hotels
Flights
の4種類で、
GAについてはUniversal Analytics、GA4どちらのタグ発火も検出できます。
<使い方>
GoalモードでGoogle広告のコンバージョンのテストを行うと、実際に広告をクリックしていなくてもテスト用のクリックIDパラメータ(gclid) がLPのURLの末尾に自動で付加されます。クリックIDを利用した計測の確認にもしっかり対応しているようです。
Cookie規制の影響で、現在のGoogle広告ではクリックID(1st Party Cookie)を使った計測が主流となっています。CVチェックを行う際にはTag Assistant for Conversions BetaのGoalモードを活用してテストを行うのがおすすめです。
以下のようなレポートを見ることもできます。
ページ遷移に沿ったタグ確認とレポート作成はTag Assistant Legacyのレコーディング機能でも可能ですが、Tag Assistant for Conversions Betaのレポートのほうがより見やすい印象です。
おすすめタグチェッカーその3:Tag Assistant Companion
「Companion(連れ、お供)」とあるように援護役的な立ち位置ですので、前の2つに比べるといくぶん地味です。が、使ってみるとけっこう便利。GTMのプレビューモードを強化してくれ、GTMやgtag設定のデバッグ時に役立ちます。
具体的には
iframeのプレビュー(debug)
別Windowではなく別タブでプレビュー(debug)を開く
プレビューモード画面を簡単に呼び出す
ことが可能になります。
本家「Tag Assistant」は、実は…
Tag Assistant Legacy (旧型Tag Assistant)、Tag Assistant for Conversions(コンバージョン用Tag Assistant)、Tag Assistant Companion(Tag Assistantのお供)の3つを紹介したわけですが、何も付かない無印の「Tag Assistant」はないのかと思った方もいるかもしれません。
ご想像の通り、存在します。無印、つまり本家のTag Assistantは、正式名称「Google Tag Assistant(Beta)」。その正体は、冒頭でややこしいとディスってしまった、「GTMのプレビューモード」のことです。本家だけあって機能が豊富、だけどその分ちょっと分かりにくいので、用途に合わせた補助ツールが用意されているというイメージでしょうか。
余談ですが、数年前までは最初に紹介したTag Assistant Legacy がTag Assistantと呼ばれていました。その頃のGTMのプレビューモードは今のように高機能ではありませんでした。リニューアルして機能が増えたことで、Tag Assistantの名を冠するようになったという経緯のようです。
最後に
タグチェッカーツールはGoogle Tag Managerに比べるとあまり利用されていませんが、手軽にタグ設定の全体像を把握できるという利点があります。またレポートが一覧や表形式で表示されるので開発者ツールより見やすいのもメリットです。
個別のタグのエラーの調査となると開発者ツール等で色々見ないとわからないこともありますが、調査の初期段階ではかなり有用なツールです。まずタグチェッカーで確認し、問題が生じたら別のツールで原因を探すという使い方をすれば、業務効率化が図れます。
この機会に、一度インストールされてみてはいかがでしょうか。