【広告クリエイティブの細かいところ。認知科学を使ったCVR・CPA改善】〜その3〜なぜLPのCTAボタンは緑が多いのか?
多くの企業で利用しているLPのCTAボタンを緑色にしているケースが多々あります。
この理由について、先ずチャットCPTに意見を聞き、その回答を補足するかたちで認知科学的視点で考察を進めてみます。
チャットGPTへの質問
早速、チャットGPTへ以下の質問をしてみました。
結果として戻ってきた回答は以下のとおりです。(全てコピペです)
チャットGPTの回答
CTAボタンの色、特に緑色を使用する傾向について、様々な要因が関与しています。
色の心理効果とユーザー行動の影響
CTAボタンはユーザーアクションに直接影響を与える重要な要素です。そのため、色選びにおいては、サイト全体の統一感を保ちつつ、他の要素から差別化を図る色を選ぶことが重要です。暖色は興奮色、寒色は沈静色として知られており、色がユーザーに与える心理効果を考慮することが重要です。
色の選択に関する一般的なアプローチ
色の好みは個人によって異なりますが、多くの場合、緑、赤、オレンジの3色がボタン色の利用上位に挙げられる傾向にあります。これらの色は、ユーザーの目を引き、アクションを促す効果があるとされています。
色の具体的な意味と影響
特定の色には固定化された意味があります。例えば、赤はエラーやアクションの失敗を、緑は登録完了や成功を示すことが多いです。これらの色の意味を理解し、与えたい印象に合わせて色を選ぶことが大切です。
色彩心理学とCTAボタンの効果
緑色やオレンジ色のボタンが効果的であるとされていますが、これは対照的な色が目立つためです。例えば、オレンジ色のボタンはコンバージョン率を32.5%以上向上させたという研究もあります。しかし、どの色が最も効果的かは、ランディングページやサイトの全体的な色によって異なり、試行錯誤しながら最適な色を見つけることが推奨されています
これらの点から、緑色のCTAボタンが多用される背景には、視認性の高さ、心理的な影響、そしてコンバージョン率へのポジティブな影響などがあると考えられます。また、特定の色が特定のアクションや意味を持つため、ユーザーに明確なメッセージを伝えるために使用されることもあります。ただし、最終的には各サイトのデザインやターゲットオーディエンスに合わせて最適な色を選択する必要があります。
チャットGPTの回答を深掘り
チャットGPTの回答において、「色彩心理学」や「色の心理効果」に関する言及が頻繁に見られ、これらが色が心理に与える影響であると指しています。
この点について、色彩生理学と色彩心理学の両方の観点からのエビデンスに基づいて、より深い考察を行いたいと思います。
色彩生理学とは?
この分野は、色が人間の生理的反応にどのように影響するかを研究します。
これには、色が視覚システムにどのように作用するか、あるいは特定の色が心拍数やストレスレベルなどの身体的反応にどのように影響を及ぼすかなどが含まれます。
例えば、明るい光や特定の色の光が人の気分や睡眠パターンに影響を与えることはよく知られています。
これらの要因は、色彩の影響がホルモン分泌に及ぼす効果に関するエビデンスが明らかになったことにより、科学的にその効果が証明されました。
以下の表はホルモン分泌に及ぼす効果をまとめたものです。
このように、特定の色を見ることでホルモンの分泌が活性化するとされており、またこれらのホルモンがどのような状況で分泌されるかの傾向は、色彩生理学の基本的な原理を形成しています。
色彩心理学とは?
この分野は、色が人間の感情や行動にどのように影響するかを研究する分野です。
色彩心理学は、特定の色がどのように感情を喚起したり、認知や意思決定に影響を与えたりするかを探ります。
例えば、赤がエネルギーと情熱を象徴し、青が落ち着きや安心感をもたらすといった概念は、色彩心理学の研究に基づいています。
しかしこれらは、色彩生理学のような科学的なエビデンスではなく、具体的には、紀元前600年のアリストテレス時代から続く色の研究結果であり、【心理4原色】と呼ばれる臨床実験等でも評価を得ているレガシールールがベースにあります。
心理4原色と心理効果の関係
心理4原色がどのように人の感情や行動へ影響を与えるかについて、先ずは以下の表をご確認ください。
表の解説においては、心理的な「4原色」にはそれぞれ独自の意味があります。また、明暗を表す「無彩色」にも特定の意味が含まれています。これらの心理的な4原色と無彩色が組み合わさることで、さまざまな「混合色」が生まれます。そして、これら混合色には、それぞれの原色と無彩色の意味的な効果が組み合わさって反映されています。
色彩生理学と色彩心理学を考慮した、CTAボタンは緑の解
色彩生理学によると、緑にはアセチルコリンというホルモンを分泌させる効力があり、このことにより「脳が快感を感じる」「ストレス解消」を引き出す心理効果があると示してます。
また色彩心理学によると、緑には「理論的で聡明」「事実に基づく行動を優先する」という心理効果をあると示しています。
この2つの心理効果をCTAボタンの色に適用すると、次のような効果が考えられます。
「商品の購入を客観的に検討する」ことを促す効果
「商品を購入することで得られる満足感や快楽」を感じさせる効果
「商品を購入することで避けられるストレスや問題」を意識させる効果
目の仕組みと色を認識する仕組み
人間の眼球には、色を認識するための特別な細胞があります。
これらは「錐体細胞」と呼ばれ、異なる波長の光(つまり色)を感知します。
大まかに、錐体細胞は赤、緑、青の光に反応する三種類に分けられ、これにより、人間は様々な色の組み合わせを認識することができます。
また人間の目は長時間同じ色を見続けると、その色に対して感度が低下する傾向があります(色の飽和)。
さらに、この感度の低下は心理状態にも影響を及ぼします。
例えば、長時間真赤な部屋に滞在すると、心理生理学のセオリーに則りアドレナリンの分泌が促進されてしまいます。
これにより、身体的および心理的な興奮状態が引き起こされるるため、色が人間の感情や身体反応に直接的な影響を及ぼすと考えられます。
緑のCTAボタンの前に何を見ているか?
多くのLPでは、消費者が緑色のCTAボタンをクリックする前に、商品のメリット、割引、特典などのオファーを確認する傾向があります。
これらのオファー訴求には、しばしば赤色が使用されており、先にお伝えしたとおり、赤色はアドレナリンの分泌と興奮状態を促す効果が知られています。
また、詳しい説明を省いてしまい恐縮ですが、三角形や尖った形状のレイアウトも同様にアドレナリンの分泌を促すとされています。
さらに、消費者が商品購入によって得られるメリットやベネフィットを感じることも、この興奮状態に寄与していると考えられます。
これらの心理的・身体的反応を考慮すると、CTAボタンが緑色である理由が理解しやすくなります。
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